マーケット調査と賃料査定
事例紹介
  • 物件データは足で集め、細やかに賃料査定
    ◆オーナー提案には分厚い査定書を作成 新築をプロデュースする際は、オーナー提案するために利回り等も含めた分厚い査定書を作成します。査定書には募集時の賃料だけでなく、借入額、返済額、利回り、返済スケジュール、査定の根拠となる近傍の事例等の資料が必要です。 ◆エリアの賃貸物件を足で集めてマーケット分析 マーケット分析のため、まずはエリアの賃貸物件を全て足で集めてデータにまとめます。もちろん時間もお金もかかります。それによって、例えば同じ商圏270棟3600室の物件数を調べ、1棟15室を2棟、3億円で受注しました。その他でも少なくとも1,000室は調べ、近隣不動産業者も5社以上回ってマーケット状況をヒアリングします。 ◆細やかな家賃査定で満室を早める また、賃料設定についても独自のノウハウがあります。1階や2階、角部屋、設備の違いなどで細かく住戸単位で家賃を査定して差をつけておきます。これによって、募集時は家賃や角部屋など重視内容によって人気が分散し、満室が早まります。一律の家賃だと、将来一戸で募集賃料が下がったとき、他の入居者から減額交渉が入るリスクがありますが、元々住戸別であればこれをを避けることができます。また新築時の賃料が将来的に続くというのは現実的ではありません。新築時の提案書には、数年後の賃料ダウンも経営計画に入れておきましょう。
  • 物件の価値を客観的に見極めて対策を
    ◆立地、共用部、専有部を客観的に評価 物件の見立は、近視眼的ならず客観的に行うのがポイント。「立地条件」「共用部」「専有部」の3つをそれぞれ評価したうえで、強み弱みを見極めます。立地条件なら、駅や中心街までの距離、スーパーや学校などの周辺施設、評判や眺望など。共用部ならセキュリティや外観、エレベーター、自転車やゴミ置き場など、棟としての魅力。専有部は間取りや設備、日当たりなど。魅力の高い項目が多ければ、高い家賃が期待できます。 ◆ターゲットを決めて変更可能なものは改善提案 「立地条件」以外の「共用部」や「専有部」は変更可能なものもあります。苦戦している物件なら、設備などの改善次第で入居が期待できる人物イメージを設定。ターゲットを取り込むためにやるべきことを決め、告知などすぐにできることから、改修などオーナー提案が必要な時間がかかるものまで、スケジュールを組んで計画的に動きましょう。
事例集
我が社の査定方法
  • 自社や近隣の類似事例、複数の地元仲介会社の意見など幅広く情報収集し、最後のサジ加減は担当者の経験と勘
  • 募集中のライバル物件と消費者目線で比較
  • 地域差が大きいので計算表をうのみにせず、自社アレンジで使用
手順例
●マーケット調査
  • 自社が担当するエリアの市場動向については、通年・常時把握しておく
  • 必須項目は、人口動向(分布)、賃料相場、近隣の建築物件や大学の動向
  • 数年に一度、駅の乗降利用客数の増減なども確認
●家賃査定
  1. コンペア式
    周辺物件の賃料、間取り、設備等の条件を査定物件と比較する方法。比較物件によってばらつくこともあるので複数の物件と比較する
    コンペア式賃料査定表
  2. 基準値から査定
    エリアの相場や見本となる対象物件から予め基準値を設定しておき、独自のポイント表や査定表を用いて家賃査定。比較する際には、同じ設備(エアコンの有無など)でも地域による賃料の金額変動率が違うのでアレンジが必要
  3. 類似の競合物件から査定
    インターネットなどで似た条件で検索される物件などで競合の観点から決まりやすい金額を設定
  4. 仲介会社に依頼
    地域の相場に詳しい複数の仲介会社に物件の詳細を提供。査定された賃料の平均を出して決める
  • 物件の価値、エリア相場、周辺物件との比較が基本に、主に以上のような算出方法がある
  • 論理的計算をしても完璧なものはないので補正は必須。補正要素は担当者の経験と勘、オーナー希望、人口増減、仲介会社の意見、成約事例、周辺環境や設備の状況、地域やトレント、複数の査定方法併用など
  • 査定表を基に、自社のデータを積み上げていき、より使える査定表に修正していく
  • 周辺環境は嫌悪施設(パチンコ店、カラオケ店、お墓、鉄道、幹線道路、消防署、暴力団事務所など)の有無、津波災害警戒区域・土砂災害警戒区域などのハザードマップ確認
  • アットホームのサイトでは、近辺の成約事例を調べることが出来る。賃料補正に使う際、あくまで成約物件の募集金額であり、実際の成約金額が現場交渉などにより変わっていることもあることに注意
チェックポイント
適正家賃料かどうかは1ケ月半で見極める
適正賃料とは1ケ月半程度(1ケ月〜2ケ月)の募集で決まる賃料と考える。即決するとホッとするものの安すぎたかもしれず、なかなか決まらないのは賃料が高すぎる。利益のバランスを取り、1ケ月半で決まらなかったら賃料を再査定するなど、細かな見直しも必要。