相続
Q&A
事例紹介
  • 相続には様々な専門家が関わるが、実はそれぞれにも専門分野がある
    ひとくちに相続といっても、その事前対策は、分割・継承・納税対策・資産活用などに分かれ、所有する土地・建物に関しても借地・借家・立ち退き・建て替えなどに課題は様々。これらの問題を相談する専門家も、弁護士・税理士・司法書士・不動産鑑定士・など多岐に渡ります。さらに注意すべき点は、医者が内科や小児科などに分かれるように、実はその専門家の方々にもそれぞれさらに得意分野があります。例えば税理士では、法人税等を扱うケースが多く、相続税・贈与税、に詳しい税理士は約一割程度しかいないというのが実感です。 ◆相続に関わる複雑な問題を不動産に詳しい専門家集団が解決 その結果、相続税の納税で過払いとなり、5年以内の更正請求制度を利用して、国税庁のデータですと、3年間で約2千人が合計約49億円もの還付を受けています。そこで相続財産のうち約半分を占めるといわれる不動産の相続の複雑な問題を、個々の事情にあわせて穏便に解決するために、特に相続・貸地・借地・有効利用等に詳しい専門家集団を「[財産ドック|http://www.zaisandoc.jp/index.html,target=_blank]」として組織化し、行き詰った状況を打開する為、「専門知識」「総合的」「実務的アドバイス」を提供しています。全国で事例を交えた相続セミナーを実施しており、これが具体的な相続相談につながっています。実際に相続問題に直面してからの相談より、先々を見越しての相続相談が6~7割と多いですね。注意すべきは中途半端な知識で相続の問題に関わると、信頼を失うどころか相続争いに巻き込まれるなど大きなトラブルに発展しかねません。きちんとした専門知識をもったうえで、専門家と協働して問題解決に当たることが必須です。 ◆相続発生や認知症発症に備え、委任状で代理人を指定 突然の相続発生時、たいていの場合は誰がなにをしていいのかわからず混乱するもの。ポイントは「亡くなった方の銀行口座は閉鎖」され、引出しはできなくなり、財産分割協議を行い相続税の支払いを行うまでは「法定相続人全員の共有財産」となるという認識を持つこと。仮に生前は同居する長男が代理で資産管理を行っていたとしても、所有者死亡になると長男個人が判断することできる立場ではなくなります。担当者不在のこの様な混乱を避けるため、万が一の場合や認知症発症で判断能力がなくなった時に備えて、管理契約時、相続・認知等の状況に対応すべく[委任状|http://www.jpm.jp/topics/2016/0916-1377.html]で代理人をあらかじめ指定しておくなどの対策が必要です、さらには法定後見制度の理解提案しておく事も必要な業務となっていきます。
目的
ひとたび相続が発生すると、緊急に対応するべき複雑かつ重要事項が山積みとなり、大きな混乱を招きがち。一方、適切な対応や提案次第では、大きなビジネスチャンスにもつながるもの。これからの賃貸管理業は、賃貸物件の管理を行うだけにとどまらず、相続に関する正しい知識を身につけることで賃貸オーナーの身近な相続の相談相手となり、後継者まで含めた長期的な信頼関係を築くことが求められている。ただし、専門知識もないまま相続問題に関わると信頼を失うだけでなく、弁護士や司法書士などの領域越権の可能性もあり、大きなリスクを伴うもの。相続支援コンサルタントの資格取得などにより、専門知識を身につけて取り組もう。
手順例
●相続発生後の基本スケジュール
被相続人の死亡(通夜・葬式)
  • 死亡届を7日以内に市区町村役場に提出
  • 葬式費用の領収書整理・保管
  • 遺言書の有無確認(公正証書以外の遺言があれば家庭裁判所で検認手続き)
  • 法定相続人の確定(戸籍確認)
  • 被相続人の財産と債務確認
3ケ月以内:相続の放棄、限定承認(※1)を家庭裁判所に申述 4ケ月以内:被相続人の所得税と消費税を準確定申告
  • 財産と債務の評価
  • 相続税額の計算
  • 財産と債務の分割協議
  • 相続税の納税資金の考慮
  • 【分割協議の確定】
  • 不動産の相続登記と預金等の名義変更
  • 分割協議書の作成(遺言がある場合は不要)
  • 相続税申告書作成
10ケ月以内:相続税の申告と納税(延納・物納申請期限※2) 1年以内:遺言が相続人の遺留分を侵害している場合、遺留分の減殺請求 3年10ケ月以内:小規模宅地等の特例(※3)、及び配偶者の税額の軽減(※3)、相続税の取得費加算(※4)の特例適用期限
※1:プラスの財産の範囲内で負債を承認すること
※2:10ケ月以内に分割協議が確定しない場合、いったん各種特例なし納税する必要あり納税額増大
※3:分割協議が確定せず特例なしで納税した場合、本期限内に分割協議が整えば更正の請求が可能
※4:相続税が課税された財産を売却した場合の所得税減税の特例
●賃貸オーナーが亡くなった場合
  • 賃貸オーナー(被相続人)の死亡を起点に、原則口座は閉鎖される
  • 上記スケジュールで遺産分割協議や相続の手続きを行われることを認識
  • 民法上では被相続人の死亡をもって全て「法定相続人全員の共有財産」として扱う
  • 一人の相続人からの申し出で回収家賃を振り込むのは危険。遺産分割協議を待つのが基本だが、実務的には相続人全員の同意書をもって処理
  • 賃貸物件に関わる代理人や相続人の確認等は慎重に、戸籍謄本の確認が基本
●賃借人・連帯保証人が亡くなった場合
  • 賃借権は原則、同居人や相続人に引き継がれる
  • 家賃不払いなどの問題がない限り、立ち退き請求は不可
  • 同居人が入居を希望とする場合は、連帯保証人や家賃保証会社も要確認
  • 実務面では、契約書の再作成は必要とせず、契約更新の際に名義変更
  • 連帯保証人が死亡した場合は、その保証も相続され、相続人が保証することになるので確認が必要
チェックポイント
賃貸オーナーの抱える相続の悩み対応し、賃貸物の管理にとどまらない総合的な資産管理をするために、日本賃貸住宅管理協会では相続支援コンサルタントの認定登録制度を設けている。認定資格は以下の二種。専門知識を身につけることで、相続前から相談を受け、適切なアドバイスを行い、差別化した踏み込んだ提案が可能になる。中途半端な知識での相続問題への介入は弁護士や司法書士などの領域越権の可能性もあり、大きなリスクを伴う。きちんとした専門知識のもと、法律や税務の専門家と共動し、根本的かつ長期的な資産管理の提案を行いたい。
●相続支援コンサルタント(一般)
相続に関する基本的な知識を持って、賃貸住宅オーナー等からの相談に応じるとともに、相談内容を的確に理解し、一般的・基本的なことについて助言できることが期待される。
●上級相続支援コンサルタント
相続に関する専門性の高い知識と技能を持って、様々なケースに応じて具体的にコンサルティングできることが期待される。登録者は、相続をテーマとした講習会やセミナー等で、講師を務めることが期待される。
データ
高齢化社会の中、平成27年に相続税の基礎控除額引き下げにより課税対象者の割合が増え、相続はますます大きな関心事となっている。相続により移転する年間50兆円の大半を占める、土地や家屋などの不動産。しかし、物理的に分割しにくい、価値が異なる不動産の分け方が難しい等の理由で遺産分割時に不動産の取り扱いに困るケースが多い。また財産額が莫大だからもめるとは限らず、実際5000万円以下で遺産争いの7割以上を占める。財産額や相続人の数に関係なく、特に分割や売却などの課題が多い不動産に関しては、相続発生前からの準備が必要である。