新規管理物件獲得の専門部隊5チームで年間4500戸目標
三好不動産 伊瀬知 晃 執行役員
我が社の管理戸数は現在3万戸。目標は5年後に5万戸なので年間4,000戸増、既存500戸減でも新規3,500純増の計画です。オーナー様や銀行、建築会社などからの紹介やホームページからの相談も多いので、丁寧に対応しています。新規獲得の専門部署は、資産活用部18名。新築物件のチーム、既存物件の移管チーム、特殊チーム、重点地域チーム、単発(分譲マンション・戸建て)チームの5チームに分かれています。
分譲マンション獲得には、管理人を訪問し、社名連絡先入りのメモ帳を配り顔見知りになっておくと、何かあった時には情報が入りやすくなります。新築分譲マンションはモデルルームを訪問して、貸した場合の賃料査定をします。チラシ配布はクレームが多いので避けています。
◆空き地の持ち主を探して提案するなど、地道な動きが管理物件増につながる
重点地域チームは空き家や空き地があれば、その持ち主を捜し出すところから始めて、地道に「売りませんか」「建てませんか」と提案。特に大手が入れないエリアについては、細かな対応ができる地元事業者がそのエリア専任の担当者をつけて取り組むべき。こういう地道な動きが地道な管理物件拡大につながります。
また、宅建協会の支部会など各種団体の集まりで仲良くなっておくと、事業承継ができなくなった際にM&Aや管理事業だけの事業譲渡の相談をもらう機会も生まれる。従業員も巻き込んで繋がっておくことも管理物件拡大のチャンスを生みます。
◆既存オーナーは物件管理ではなく資産管理のスタンスでフォロー徹底
既存オーナーは、オーナーサービス課26人でオーナー様のフォローやリノベーション、外壁改修の提案を行っています。営業一人あたり約100オーナーを担当。基本は直に訪問しますが、関東など遠方のオーナー様はセミナー等を東京で開催することでコミュニケーションを図っています
オーナー様はおおよその総資産を目算でS(10億以上のVIP)・A~Eでの6ランクに分類。優先順位を明確にしてフォロー。どのオーナー様も誕生日を調べてプレゼントを持っていくのですが、還暦・卒寿・米寿などの際は特別のものを用意。性別・年齢・家族構成などを考慮して選び、地産地消の食材などを選んだり、以前は御頭付きの鯛やお米セット、最近は家族との記念撮影用フォトスタジオのチケットなどもあります。
どんなにフォローをしても、管理が切れる可能性もあります。理由は、売却後に購入者が連れてきた管理会社への移管や空室が決まらない等の問題があります。店舗がないエリア等は他社に集客を依頼するなど個別に策を講じながら空室改善を目指しています。
◆オーナー向けセミナーを毎月20年以上継続して実施
毎月一回、オーナー向けセミナーを年間でテーマを決めて運営しています。20年以上前に始めた時は少数か集まらない時もありましたが啓蒙活動として粘り強く継続。現在は管理オーナー4000人、他者管理オーナー6000人、合計毎月1万人のオーナー様にセミナーの案内し、多い時は200人も集まるようになりました。現在はちんたい協会として運営し、年間12,000円と有料になっています。
定期的にセミナーをやることのメリットは、なかなか訪問できないオーナー様とも接触の機会が持てることです。その際になかなかできなかった提案をすることもできます。講師はテーマに合わせた外部講師を呼んでいます。また年に2回ほどは社員が講師としてセミナーを行います。セミナー終了後は約1時間程度、税務・法務・相続
・空室対策、弁護士らによる個別相談を実施。リノベーションセミナー後には、実際のリノベ事例見学のバスツアーなども行っています。その場合、オーナー担当が一緒に同行しています。相続セミナーなどを6回シリーズで実施して、毎回オーナーと会うことで仲良くなっていくのも有効です。セミナー以外にも月一回の広報誌などで定期的に情報発信しています。